巻二巻|春下

巻二巻|春下
巻二巻|春下古今和歌集掲示板 ■ 
★注目スレッド: 巻二巻|春下(65) 
今日のみと
春を思はぬ
時だにも
立つことやすき
花の影かは
(134)
濡れつつぞ
強ひて折りつる
年の内に
春はいく日も
あらじと思へば
(133)
留むべき
ものとはなしに
はかなくも
散る花ごとに
託ふ心か
(132)
声絶えず
鳴けや鶯
一とせに
再び一たび
来べき春かは
(131)
惜しめども
留まらなくに
春霞
帰る道にし
立ちぬと思へば
(130)
花散れる
水のまにまに
留めくれば
山には春も
なくなりにけり
(129)
泣き止むる
花しなければ
鶯も
果ては物憂く
なりぬべらなり
(128)
梓弓
春立ちしより
年月の
入るがごとくも
思ほゆるかな
(127)
思ふとち
春の山辺に
打ち群れて
そことも言はぬ
旅寝してしか
(126)
吉野川
岸の山吹
吹く風に
底の影さへ
移ろひにけり
(124)
山吹は
あやなな咲きそ
花見むと
植ゑけむ君が
今宵来なくに
(123)
春雨に
匂へる色も
飽かなくに
香さへ懐かし
山吹の花
(122)
今もかも
咲き匂ふらむ
橘の
越島の崎の
山吹の花
(121)
我が宿に
咲ける藤波
立ち返り
過ぎ難てのみ
人の見るらむ
(120)
よそに見て
帰らむ人に
淵の花
はひ纏はれよ
枝は折るとも
(119)
吹く風と
谷の水とし
なかりせば
深山隠れの
花を見ましや
(118)
宿りして
春の山辺に
寝たる夜は
夢の内にも
花ぞ散りける
(117)
春の野に
若菜摘まむと
越しものを
散り交ふ花に
道は惑ひぬ
(116)
梓弓
春の山辺を
越え来れば
道も去りあへず
花ぞ散りける
(115)
惜しと思ふ
心はいとに
寄られなむ
散る花ごとに
抜きて留めむ
(114)
花の色は
移りにけりな
いたづらに
我が身世に経る
眺めせしまに
(113)
散る花を
何か恨みむ
世の中に
我が身もともに
あらむものかは
(112)
駒なめて
いざ見に行かむ
故郷は
雪とのみこそ
花は散るらめ
(111)
しるしなき
音をも鳴くかな
鶯の
今年のみ散る
花ならなくに
(110)
言伝へば
己が風に
散る花を
誰に負ほせて
ここら鳴くらむ
(109)
花の散る
ことや侘しき
春霞
立田の山の
鶯の声
(108)
散る花の
無くにし留まる
ものならば
我鶯に
劣らましやは
(107)
吹く風を
鳴きて恨みよ
鶯は
我やは花に
手だに触れたる
(106)
鶯の
鳴く野辺ごとに
来て見れば
移ろふ花に
風ぞ吹きける
(105)
花見れば
心さへにぞ
移りける
色に出でし
人もこそ知れ
(104)
霞立つ
春の山辺は
遠けれど
吹き来る風は
花の香ぞする
(103)
春霞
色の千草に
見えつるは
たなびく山の
花の影かも
(102)
咲く花は
千草ながらに
徒なれど
誰かは春を
恨み果てたる
(101)
待つ人も
来ぬものゆゑに
鶯の
鳴きつる花を
折りてけるかな
(100)
吹く風に
あつらへ作る
ものならば
この一もとは
良き世と言はまし
(99)
花のこと
世の常ならば
過ぐしてし
昔はまたも
帰り来なまし
(98)
春ごとに
花の盛りは
ありなめど
相ひ見むことは
命なりけり
(97)
いつまでか
野辺に心の
憧れむ
花散らすは
千世も経ぬべし
(96)
いざ今日は
春の山辺に
交じりなむ
暮れなば嘆け
花の影かは
(95)
三輪山を
しかも隠すか
春霞
人に知られぬ
花や咲くらむ
(94)
春の色の
至り至らぬ
里はあらじ
咲ける咲かざる
花の見ゆらむ
(93)
花の木も
今は掘り植ゑし
春立てば
移ろふ色に
人習ひけり
(92)
花の色は
霞に籠めて
見せずとも
香をだに盗め
春の山風
(91)
故郷と
なりにし奈良の
都にも
色は変はらず
花は咲きけり
(90)
桜花
散りぬる風の
名残には
水なき空に
浪ぞ立ちける
(89)
春雨の
降るは涙か
桜花
散るを惜しまぬ
人しなければ
(88)
山高み
見つつ分かこし
桜花
風は心に
任すべらなり
(87)
雪とのみ
降るだにあるを
桜花
いかに散れとか
風の吹くらむ
(86)
春風は
花のあたりを
避きて吹け
心づからや
移ろふと見む
(85)
久方の
光のどけき
春の日に
しつ心なく
花の散るらむ
(84)
桜花
疾く散りぬとも
思ほえず
人の心ぞ
風も吹きあへぬ
(83)
言ならば
咲かすやはあらぬ
桜花
見る我さへにし
つ心なし
(82)
枝よりも
徒に散りにし
花なれば
落ちても水の
泡とこそなれ
(81)
垂れ込めて
春の行方も
知らぬまに
待ちし桜も
移ろひにけり
(80)
春霞
何か隠すらむ
桜花
散る間をだにも
見るべきものを
(79)
一目見し
君もや来ると
桜花
今日は待ち見て
散らば散らなむ
(78)
いざ桜
我もちりなむ
一盛り
ありなば人に
憂き目見えなむ
(77)
花散らす
風の宿りは
誰か知る
我に教へよ
行きて恨みむ
(76)
桜散る
花のところは
春ながら
雪ぞ降りつつ
消え難てする
(75)
桜花
散らば散らなむ
散らずとて
故郷人の
来ても見なくに
(74)
空蝉の
世にも似たるか
花桜
咲くと見しまに
かつ散りにけり
(73)
この里に
旅寝しぬべし
桜花
散りのまがひに
家路忘れて
(72)
残りなく
散るぞめでたき
桜花
ありて世の中
果ての憂ければ
(71)
待てと言ふに
散らでし留まる
ものならば
何を桜に
思ひ増さまし
(70)
春霞
たなびく山の
桜花
移ろはむとや
色変はりゆく
(69)
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