年を経て 思ふ心の しるしにぞ 空も頼りの 風は吹きける (998)

年を経て
思ふ心の
しるしにぞ
空も頼りの
風は吹きける
(998)
筑波山は
山しげしげれど
思ひ入るに
障らざりけり
(1013)
今日もまた
かくや伊吹の
差しも草
さらば我のみ
燃えや渡らむ
(1012)
白雲の
峰にしもなぞ
通ふらむ
同じ御笠の
山の麓を
(1011)
風吹けば
室の八島の
夕煙
心の空に
立ちにけるかな
(1010)
煙立つ
思ひならねど
人知れず
侘びては
富士の根をのみ
ぞ泣く
(1009)
しるしなき
煙を雲に
まがへつつ
夜を経て
富士の山とも
燃えなむ
(1008)
我が思ひ
空の煙と
なりぬれば
雲居ながらも
なほ訪ねてむ
(1007)
我が宿は
そことも何か
惜しむべき
言はでこそ見め
訪ね来りやと
(1006)
あら玉の
年に任せて
見るよりは
我こそ越えめ
逢坂の関
(1005)
天つ空
豊の明かりに
見し人の
なほ面影の
しいて恋しき
(1004)
唐衣
袖に人目は
包めども
凍るるものは
涙なりけり
(1003)
御籠りの
沼の岩垣
包めども
いかなる暇に
濡るる袂ぞ
(1002)
人づてに
知らせてしかな
隠れぬの
籠もりにのみ
恋ひや渡らむ
(1001)
諸共に
あはれと言はず
人知れぬ
徒語りを
我のみやせむ
(1000)
年月は
我が身に添へて
過ぎぬれど
思ふ心の
行かずもあるかな
(999)
年を経て
思ふ心の
しるしにぞ
空も頼りの
風は吹きける
(998)
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